ダイヤモンド・CBN工具について

当社では高精度、高能率加工のダイヤモンド、CBN工具を製造しています。
自動車、工具、電子、半導体などあらゆる産業では、地球上で最も硬い物質であるダイヤモンドの硬さを利用した工具材料としても広く使用されています。
ダイヤモンドの特性(比較的熱に弱いなど)もあり、ダイヤモンドに次ぐ硬度を持つ立方晶窒化ホウ素(CBN)工具も幅広く使用されています。
超砥粒CBN(立方晶窒化ほう素)は、米国GE社で開発されたダイヤモンドに次ぐ硬い砥粒で、熱安定性に優れ、HRC50以上の工具鋼・ダイス鋼・鋳鉄その他各種合金鋼、HRC40以上のニッケル・コバルトベースの超合金の分野の加工に適しています。
ダイヤモンド工具で加工される材料 | ||
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●切削工具 ・超硬合金 ・サーメット ・セラミックス ・(アルミナ等) ●電子部品 ・セラミックス ・シリコン ・ゲルマニュウム ●磁性材料 ・フェライト ・希土類コバルト |
●硬脆材料 ・ガラス ・水晶 ・セラミック磁器 ●石材、窯業製品など ・石材 ・耐火物 ・タイル ・アスファルト ・コンクリート |
●耐磨金属 ・溶射金属 ・ステライト ・フェロチック●プラスチック ・F.R.P.●グラファイト ●一般砥石類 ●宝石 |
CBN工具で加工される材料 | ||
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●切削工具 ・SKH ・SKS ・SK ●耐磨工具 ・SKD ・ステライト ・溶射金属(メテコ) ●耐蝕金属 ・SUS ・希土類コバルト |
●構造部品 ・SCM ・SNC ・SCr ・SUJ ●耐熱金属 ・SUH ・インコーネル ・Ti合金 ・超硬合金 ・ハステロイ |
●鋳鉄 ●類磁性材料 ・センダスト ・アルニコ |
ダイヤモンドおよびCBNの物理特性
ダイヤモンド | CBN | |
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比重 | 3.52 | 3.48 |
熱膨張率(×10-6/℃) | 0.90 | 3.50 |
熱安定性(℃) | 600~900 | 1,370 |
硬度(ヌープkg/㎟) | 7,000 | 4,700 |
●ダイヤモンド・CBNホイールについて
ダイヤモンドホイールはダイヤモンドの粒を切れ刃にした研削砥石の名称です。地球上の鉱物で最も硬いダイヤモンドの砥粒は、耐摩耗性、耐薬品性、高い熱伝導性などに優れた特性をもっているため、「硬質材料」の研削に使用されます。
また、ダイヤモンドと比較して熱に強く鉄との反応性が低く、ダイヤモンドの次に硬い鉱物の特性を活かして「鉄系材料」の研削で使用されるのがCBNホイールです。
CBNホイールは一般のアルミナ砥石に比較して、高い材料除去率、長い砥石寿命、ワークの寸法管理が容易で良好な切れ味が持続し、研削熱の発生も少なく、研削焼けもほぼ無いため、長時間の連続加工が可能です。
当社では長きにわたりダイヤモンドおよびCBNホイールを製造しており、お客様の要望に沿った最適なホイール製品を製造しております。
当社のホイールについて
●表示法

●ホイールの取り付け
ホイールの取り付けに際しては、取り付け穴、フランジ取り付け部の汚れをよく取り除き、ダイヤルゲージでの振れが最小限になるように正しく強固に取り付けてください。
取り付け後は、バランスウエイトにてバランスを取り、振れを測定し、側面部、外周部振れは、0.02mm以下に確保してください。ホイールの取り付けが不完全ですと、ワークにビビリマークが発生し、機械が振動し研削音が高くなり、ホイールの寿命も著しく短くなります。

●ホイール周速度
ダイヤモンドホイールの周速度は、ホイールの形状、寸法仕様等の他に研削盤の種類やワークの材質等を考慮して決定いただきますが、一般的には下記の範囲内での使用をお勧めいたします。
●レジンボンド
湿式研削 | 25m/s~30m/s |
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乾式研削 | 15m/s~20m/s |
●メタルボンド・ビトリファイドボンド
湿式研削 | 17m/s~30m/s |
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乾式研削 | 8m/s~12m/s |
CBNホイールの周速度は、熱安定性に優れているので周速を上げるほど研削比は伸長します。
乾式研削の場合は、ワークに研削焼けが発生するため、下記の条件範囲にてご使用ください。
湿式研削 | 28m/s~60m/s |
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乾式研削 | 17m/s~23m/s |
●研削液
ダイヤモンド・CBNホイールともに研削液の種類は、ワークにより使い分けつつ、冷却性に主なポイントを置き選択してください。
研削液のかかり方の良否によって、ホイールの寿命と加工能率に大きな影響を及ぼしますので、研削点に研削液が充分かかる様にご注意ください。
●ツルーイングとドレッシング
ダイヤモンドホイールのツルーイングは、主にブレーキドレッサーによる方法などがありますが、単石ドレッサーによるツルーイングは絶対に行わないでください。
ツルーイング後または使用途中で切れ味が悪くなった場合は、下記の仕様のスティックにてドレッシングを行い、ホイール面にスラリーが出来る程度に研削液を調整してください。
ダイヤモンドホイール | スティック仕様 |
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~#80 | GC120H |
#100~#230 | GC220G |
#270~ | GC320G |
CBNホイールのツルーイング方法は、ブレーキドレッサーやスティックによる方法などがありますが、どの方法の場合でも必ず湿式で行い、ホイールとツルーイング工具の接触面に研削液が直接かかるようにご調整ください。
ドレッシングは、A系のビトリファイドのスティックにて目立てを行っていただき、スティック粒度は、CBNホイール粒度の1~2ランク細かい砥粒、結合度はE~Hのものを使用してください。効果的なドレッシング方法としては、スティックをホイールに強く押し付け、ドレッシング中は、ホイールにスラリーが出るくらいに研削液を調整してください。
●切り込み量
ダイヤモンドホイールの切込みの大小は、加工能率の良否を左右します。加工能率を上げようとして、いたずらに大きくすることは砥石寿命を短くします。
下記の基準切込み量を目安としてご使用ください。
粒度 | 切込み量 |
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F100~F120 | 0,02~0,03mm/pass |
F140~F230 | 0,01~0,02mm/pass |
F270~ | 0,01mm/pass |
●CBNホイールの選択基準
アルミナ砥石をCBNホイールに替える際の粒度選定の目安は、下記の基準が適当と考えられます。
アルミナ砥石 | CBNホイール |
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#46~#60 | #80~#120 |
#80~#120 | #140~#270 |
#270~ | #325~#400 |